ドローンといえばプロペラのついた小さな飛行機ですが、さまざまな目的で使われているのをご存じでしょうか。その一つが外壁調査です。これまで人が行っていた調査はドローンが撮影する調査方法に取って代わられるなどの動きがあります。そこで今回はドローンによる外壁調査について、どのような方法で調査するのか、メリットおよびデメリットなどについて解説します。
1.ドローンってそもそも何?
ドローン(Drone)は、英語で「オスの蜂」という意味です。「UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人飛行機)」とも呼ばれ、もともとは第二次世界大戦中に軍事利用のために開発されたものです。
1-1.ドローンが知られるようになったのは?
2010年にスマホで操作できる小型のドローンが発売され、これが農薬散布などの用途で使われていたドローンが一般にも浸透するきっかけとなりました。ドローンにはカメラやセンサーが搭載可能なため、測量や物流、災害調査、報道などさまざまな分野で活用されています。
ドローンのサイズは小型飛行機ほどの大きさがあるものから、手のひらに乗るくらい小さなものまであるでしょう。またプロベラによって飛行機型、ヘリコプター型、マルチコプター型があり、現在はマルチコプター型が一般的に使われています。
2.外壁調査にドローンを使う
ここ何年かで、外壁調査・外壁点検において活用されるドローンが増えてきました。これは令和4年に建築基準法が改正され、建設物の調査方法の一つにドローンによる調査が認められ明記されたことが関係しています。
2-1.外壁調査とは
外壁調査では外壁に浮きがないか、ひびが入っていないかを調べます。平成20年の建築基準法改正で「特定建築物」の指定を受けた建築物(学校や病院など多くの人が利用する場所)は、定期調査(1~3年ごとの目視及び部分打診と10年ごとの全面打診等調査)が義務となりました。
外壁調査は打診調査と赤外線調査という方法で行われます。打診調査は打診棒と呼ばれる器具で外壁を直接叩いて出る音を聞き劣化や損傷を見つける調査です。高所は足場などを使って調査する必要がありコストがかかる、また場所によっては足場を組めず調査ができないこともあるといった点が課題となっています。
赤外線調査は赤外線カメラを使って画像を撮影し解析する方法です。外壁が劣化し浮きやはがれがある場合、こうした部分は温度が高くなり色が変わるため画像を見れば判断できます。足場のような大掛かりな準備が不要で、コストを下げられ調査時間も短く済むというメリットがあります。打診調査と比較して精度が低く、また階数が上になるほど精度が落ちること、温度が下がる冬場は難しくなることがデメリットです。
2-2.外壁調査にドローンを使用する
赤外線調査のデメリットを解消するため近年注目されているのが、ドローンに赤外線カメラを搭載し外壁を撮影して劣化した箇所を見つける方法です。これまでの赤外線調査で作業員がしていた作業を代わりにドローンがするもので、作業員はドローンを操縦して撮影する作業を行います。ドローンであれば足場などの設備やドローン以外の機材は必要なく時間や費用を大幅に短縮できるほか、精度も作業員が撮影するのに比べ高くなります。
3.外壁調査にドローンを使うメリット・デメリット
ドローンで赤外線調査をする場合のメリットおよびデメリットについて解説します。
3-1.ドローンを使うメリット
ドローンを使用した赤外線調査の大きなメリットは、目で見える形にできるデータが得られることです。打診調査は音で異常を聞き分けるため証明するのが難しいものですが、ドローンで撮影した画像データは一目瞭然で人に説明がしやすいものとなります。調査にかかる時間の面においても、打診調査は通常調査に半月、長くて1か月かかりますが、ドローンではその日のうちに終わることがほとんどです。
他に、ドローンによる調査では足場を組む必要がなく転落事故の危険性がないこと、人手が最小限で済み人件費の削減が可能であること、安全性が高く事故リスクがほぼないこともドローン調査のすぐれている点です。危険性という面ではドローンの墜落リスクはあるものの人の出入りを制限して作業し、作業員がドローンの研修を確実に受けておけば問題ないでしょう。
打診調査は直接外壁に触れるため、劣化しているとダメージを与えることがあります。また足場を組むことで劣化を進行させてしまうリスクもありますが、ドローンは壁面と直接接触がないためダメージを与えることはありません。足場を組まないことは、建物に入居している人の負担が少なくなります。足場を組めば日当たりが悪くなる、窓が開けづらい、セキュリティ面の不安とさまざまな不便があります。
3-2.ドローンを使うデメリット
ドローンによる調査では、建物の立地、環境によっては飛行が制限され危険が伴い飛行自体できないことや、ドローンは雨や風に弱く、悪天候の日は飛ばせないという点がデメリットです。またドローンによる調査の弱点は作業員による打診調査と同じことはできず、建物の状況がすべてわかることではないという点です。タイルなどの浮きは検知できてもより詳しい診断は打診調査でないとわからないことがあります。
4.まとめ
ドローンはその利点を活かして、赤外線カメラを搭載し外壁調査に利用されるケースが増えてきました。ドローンを使う調査のメリットは短時間で終わる、コストが減らせる、安全である、建物にダメージを与えないなどさまざまですが、一方で建物の環境や天候に左右されるというデメリットもあります。
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